お見合い仮面夫婦の初夜事情~エリート裁判官は新妻への一途な愛を貫きたい~
そして引っ越し当日、手伝い要員として母と姉がついてきた。
大知さんが先に暮らしているし大きい家具は必要ないが、ふたりは引っ越しの手伝いにくわえて私たちの新居に興味があったのだと思う。
官舎ではあるが、想像以上に広くて綺麗だ。数年前に耐震工事を兼ねて改築したらしい。
あまり記憶にないが、母は結婚して姉が生まれてからもしばらくは父について官舎住まいだったので、どこか懐かしそうだ。
隣近所への挨拶回りをしっかりするようにと母が用意したお菓子の詰め合わせを渡される。
裁判官の妻として、母は大先輩になるわけだ。母と姉の手伝いもあって作業自体はあっさり終わった。
大知さんと母が盛り上がりだしたので、今の間になにか飲み物でも買ってこようと姉とふたりで外に出かける。
今日の姉のファッションはインディゴブルーのアンサンブルニットと白のワイドパンツを組み合わせていて、派手さはないのに綺麗な体のラインがよくわかる。サラサラの長い髪を掻き上げる仕草は思わず見とれる。
対する私は引っ越しだからと動きやすさを重視した結果、ボーダーのトップスにAラインのデニムスカートとお洒落さはあまりない。
『千紗、おめでとう。幸せにね』
『ありがとう、お姉ちゃん』
勝手に居たたまれなさを感じていると、改めて姉からお祝いの言葉を述べられる。なんだか照れくさい。
『大知くんは仕事に夢中になりすぎるところがあるけれど、私の代わりに千紗が上手に支えてあげて』
『う、うん』
返事をしてから胸に正体不明の重りが投げかけられた気がした。
大知さんが先に暮らしているし大きい家具は必要ないが、ふたりは引っ越しの手伝いにくわえて私たちの新居に興味があったのだと思う。
官舎ではあるが、想像以上に広くて綺麗だ。数年前に耐震工事を兼ねて改築したらしい。
あまり記憶にないが、母は結婚して姉が生まれてからもしばらくは父について官舎住まいだったので、どこか懐かしそうだ。
隣近所への挨拶回りをしっかりするようにと母が用意したお菓子の詰め合わせを渡される。
裁判官の妻として、母は大先輩になるわけだ。母と姉の手伝いもあって作業自体はあっさり終わった。
大知さんと母が盛り上がりだしたので、今の間になにか飲み物でも買ってこようと姉とふたりで外に出かける。
今日の姉のファッションはインディゴブルーのアンサンブルニットと白のワイドパンツを組み合わせていて、派手さはないのに綺麗な体のラインがよくわかる。サラサラの長い髪を掻き上げる仕草は思わず見とれる。
対する私は引っ越しだからと動きやすさを重視した結果、ボーダーのトップスにAラインのデニムスカートとお洒落さはあまりない。
『千紗、おめでとう。幸せにね』
『ありがとう、お姉ちゃん』
勝手に居たたまれなさを感じていると、改めて姉からお祝いの言葉を述べられる。なんだか照れくさい。
『大知くんは仕事に夢中になりすぎるところがあるけれど、私の代わりに千紗が上手に支えてあげて』
『う、うん』
返事をしてから胸に正体不明の重りが投げかけられた気がした。