お見合い仮面夫婦の初夜事情~エリート裁判官は新妻への一途な愛を貫きたい~
第三章 知情の黙秘は有罪ですか
アラームの音で目が覚めると、そばに大知さんの姿はなく、おかげで昨晩の出来事が夢のように感じる。
ところがパジャマを着ていない現状を目の当たりにし、急いで着替えた。
今日からまた平日の慌ただしい日々が始まる。時計を確認したら午前六時過ぎ。慌てて手櫛で髪をとかしながら洗面所で顔を洗った後、リビングに向かった。
「おはようございます」
「おはよう」
大知さんはテーブルにつき、新聞を確認していた。ワイシャツにジャケットといつも通りの姿で、部屋にはコーヒーのいい香りが立ちこめている。
おそらく彼がコーヒーメーカーをセットしたのだろう。そろそろできあがりそうだ。
「コーヒー入れますね」
「千紗の分も用意している」
「ありがとうございます」
お礼を告げると、大知さんが視線をこちらに向けた。
「むしろそれくらいしかできてなくて悪いな」
「いいえ、十分ですよ!」
カップを取り出しながら答える。彼が言っているのは朝ごはんやお弁当の支度を言っているのだろう。でもこれは私が好きでやっている。
「今度早く帰れるときは、俺が夕飯を作るよ」
「いいんですか?」
大知さんの提案に目を丸くする。リアクションが大きかったからか彼は苦笑した。
「千紗ほど凝ったものは作れないけどな」
「そんなっ……嬉しいです」
笑顔でコーヒーの入ったカップを彼の元へ運ぶ。大知さんはブラックを好むのでそのままだ。
ところがパジャマを着ていない現状を目の当たりにし、急いで着替えた。
今日からまた平日の慌ただしい日々が始まる。時計を確認したら午前六時過ぎ。慌てて手櫛で髪をとかしながら洗面所で顔を洗った後、リビングに向かった。
「おはようございます」
「おはよう」
大知さんはテーブルにつき、新聞を確認していた。ワイシャツにジャケットといつも通りの姿で、部屋にはコーヒーのいい香りが立ちこめている。
おそらく彼がコーヒーメーカーをセットしたのだろう。そろそろできあがりそうだ。
「コーヒー入れますね」
「千紗の分も用意している」
「ありがとうございます」
お礼を告げると、大知さんが視線をこちらに向けた。
「むしろそれくらいしかできてなくて悪いな」
「いいえ、十分ですよ!」
カップを取り出しながら答える。彼が言っているのは朝ごはんやお弁当の支度を言っているのだろう。でもこれは私が好きでやっている。
「今度早く帰れるときは、俺が夕飯を作るよ」
「いいんですか?」
大知さんの提案に目を丸くする。リアクションが大きかったからか彼は苦笑した。
「千紗ほど凝ったものは作れないけどな」
「そんなっ……嬉しいです」
笑顔でコーヒーの入ったカップを彼の元へ運ぶ。大知さんはブラックを好むのでそのままだ。