【SR】幸せな結婚
しかし、嬉しい出来事は突然やって来る。
忘れもしない2学期の中間テストの時だった。
試験監督はランダムで配属されるのが通例になっていたが、まさか寿生が自分のクラスに来るなど思ってもいなかった。
亜弥は一番前の席だった。
教卓の前に立つ寿生の横顔を見て、心臓が破裂しそうなほど緊張した。
問題用紙を配る寿生と、一瞬手が触れる。
顔は発熱した時のように火照り、亜弥の意識はどこかへ飛んでしまうほどだった。
テストの出来映えはさんざんだった。
でも寿生と同じ空間に居て、近くで顔を見ることができた、それだけで満足だった。