【SR】幸せな結婚
挙式でキスをする姿を、寿生に見られたくない――。
寿生のためではなく、英太のために着るウエディングドレス姿も見せたくなかった亜弥は、二人での挙式を懇願したのだった。
当然、婚前交渉も拒み続けたままで今に至る。
さすがにいつまでも処女を守り抜くのは無理だと思っていたが、挙式後のゴタゴタと、たまたま入った出張のおかげで、英太とは未だ関係を持たないままだった。
「それは嬉しい話だが……。
今はもう、亜弥さんは英太のお嫁さんだ。
過去の思い出として、そっとしまっておかないとな」
諭すように寿生が言った。
ありがとうな、と微笑んで顔を上げた瞬間、亜弥の瞳から大粒の涙がこぼれているのが見えた。