【SR】幸せな結婚
そんな二人が新入社員同士として面識を持ってから、親しくなるのにさほど時間はかからなかった。
仕事中、お互いで質問しては一緒に悩み、ランチを共にすることも多かった。
優しさが滲み出ている英太の顔に、亜弥はわりと早い段階で心を開いた。
色々な会話をして、相手のことを知っていくにつれ、亜弥は英太と付き合いたいと思うようになった。
交際を申し込んだのは亜弥からだ。
少し奥手の亜弥は、それまで男性と交際したことは一度もなかった。
そんな亜弥が交際を申し込むのは、かなり勇気の要ることだったが、それほどまでに、交際を願う気持ちは揺るぎないものだった。
英太は少し驚いた表情をしたが、すぐに快諾した。
控えめな態度は今の女性にしては珍しいくらいで、派手さもなく、清潔感溢れる亜弥に好感を抱いていた。
交際を申し込まれたのは予想外だったが、悪い気はしなかった。
こうして、入社して2ヶ月後に二人は恋人同士となった。