総長は、甘くて危険な吸血鬼
Whitelove1
生徒会室に来てしまいました
5月、まだ少し肌寒さが残る頃
私__朝宮 胡桃は重いキャリーケースを引きながら、大きな白い門の下を通った。
ここは、白星学園
今日から私の通う高校
と言っても、新入生ではない
“高校3年生5月”という微妙な時期、
つまり私は転校生だ。
白いブレザーに赤いリボンとピンクのチェックスカート、theエリート校って感じの新品の制服を着て、広大な学園の敷地に足を踏み入れた。
『えーっと、私の教室は…』
正門を通ったところで足を止めると、ブレザーのポケットから地図を取り出す。
地図が必要な程、この学園は敷地が広い。
「わ!WhiteLillyの皆様よ!」
…WhiteLilly?
教室の方に向かおうとすると目の前に人だかりが出来ていて、見事に道を塞がれてしまった。
大勢の女子たちが取り囲むように集まっていて、その中心にいるのは5名の男子生徒
多分あれだ、
いわゆる少女漫画とかでよくある、人気男子達
で、大体ああいうのに関わるとろくなことがない。
転校生の私は尚更、
できれば関わりたくないなぁ…とか考えながら、人だかりに近づかないように回り道する事にした。
…けどやっぱり、回り道なんかしなきゃ良かったと思った
だって、
< 1 / 259 >