総長は、甘くて危険な吸血鬼

最初から起きてたの?!
な、なんで狸寝入りなんかしてるの

だって、これは、まずいよ。

とてもまずい。

付き合ってもない男女がベットの上で抱きしめ合ってるとか大問題だし私の心臓がもたない

なんとかしてベットから降りようと身を捩るけど、
逃げようとする私を捕まえるように簡単に組み敷かれてしまった。


「だめ、逃さない」


叶兎くんの赤い瞳に見下ろされると、
なんだか体が固まったように動けなくなる。


『…っ、?』


叶兎くんの口元が私の首元に近づいて、
いつものように吸血されると思って身構えるけど一向に血を吸われる感覚が無い

噛み付くというより、触れられるっていう感覚

優しく、壊れ物を扱うように触れるみたいに、私の首元にキスの雨を降らせる。


「すきだよ、胡桃」


耳元でそう言われて、既に私の心臓は爆発寸前で、

血が欲しいなら早く吸って解放してくれ!!という風に心の中で訴える

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