総長は、甘くて危険な吸血鬼


友達に呼ばれたからにはもう行かなきゃね〜なんて安堵していたら、


『…、?!』


いきなり耳をカプッと噛まれて、体が反射的に動いた。

な、なんか…ぞわって……


「ふーん、耳、弱いんだ?」


その、お願いだから耳元で喋らないでください

叶兎くんの吐息がかかってくすぐったいというかなんというか…


「良い事知った」


叶う兎くんはふふ、と柔らかく笑みを浮かべ

さっき閉めたドアの鍵を開けた。


「じゃ、生徒会の方行ってくる。続きはまた今度、ね?」


そう言い残して、叶兎くんは行ってしまった

…まだ心臓がドキドキしてる

……何か、私ばっかりドキドキしててずるい!!

叶兎くんにはいっつも翻弄されっぱなしだ…


とりあえずすーはーとゆっくり深呼吸して、心を落ち着かせる。心臓が落ち着いて来たことを確認して教室を出るとすぐ、廊下で心音ちゃんに会った。


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