総長は、甘くて危険な吸血鬼
「失礼します。予算案の回収に来ました」
「あ、予算なら胡桃が今計算してくれてるから少し待ってて!」
自分の名前が聞こえて教室の入り口のドアの方へ視線をやると、生徒会の仕事中らしき桐葉くんが立っていた。
「へぇ、計算得意なんだな」
得意っちゃ得意だけど…理系の桐葉くんの凄まじい計算スピードには遠く及ばないのでそう言われても何か複雑だ。数学の授業とってるけど私文系だし。
『はい、一応確認したから合ってるとは思う』
「ありがとう」
桐葉くんはプリントを受け取るとバインダーに挟んだ紙にチェックを入れる。
…そういえば、生徒会として活動してるところは初めて見たかも。いつもはWhite lilyのみんなしか見れてなかったから。
「あ、あと天音どこ行ったか知ってるか?」
『天音くん?…うーん、見てないかなぁ。何かあったの?』
「さっきから天音の姿が見当たらないんだ。ったく、あいつまたサボりか…」
桐葉くんは呆れたようにため息をついた
怒るっていうより呆れてる感じ。