総長は、甘くて危険な吸血鬼


「っおい、どけ!」

『えぇっ?!ちょ、』


ぶつかる寸前、大きく一歩前にひょいっと避けると、
その男の子が着地すると同時に、ドンっと鈍い音が聞こえた


「っってぇ…!」


男の子は頭を抱えながらその場に座り込む。

どうやら勢いのまま目の前の壁に激突したようだ。



『あ、あの…大丈夫ですか?』


「どう見ても大丈夫な訳ねーだろ!」



駆け寄ろうとしたら男の子がバッと私の方を向いて言った。



『あっそうだよねごめん…!』



やばいこの人めっちゃ怒ってる
私がぶつかりそうになったせいで…

いや、まって、私のせいじゃなくない?

階段の手すりを乗り越えるなんて危険行為した方が悪いような…



『階段は…普通に歩いた方がいいと思いますよ…』

「あ?」



な、なんか、初期の叶兎くんと似たような何かを感じる…


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