総長は、甘くて危険な吸血鬼
「……何でそんなに離れてんの?」
そう言うことは口に出さなくていいんだよ叶兎くん。君のせいだよ。
『かっ、叶兎くんが変なこと言うから…!』
って言ったら、わざわざ距離取って座ったのに叶兎くんが距離を詰めてきて
「ふーん、意識してるんだ?」
なんて、楽しそうにそう言った。
『…だって、好きな人と2人でいたら、意識しちゃうよ』
「……。」
叶兎くんと一緒にいる時はいっつもドキドキしてるし、意識しない方が無理だと思う
『あの……何か言って…』
数秒経っても反応がないので何か自分の発言が恥ずかしくなってきた。ちらっと叶兎くんの方を見ると、片手で顔を覆って目を逸らすようにしている叶兎くんがいた。
『叶兎くん何してるの?』
「いや、ちょっと可愛さを噛み締めてる」
『何それっ?!』
「…それで、本当は用事があったんでしょ?」
強引に話を区切るように話題を変えた叶兎くん、
私も目的を忘れる所だった
『そうだった!あのね、私のケータイなんだけど…』