総長は、甘くて危険な吸血鬼


【side叶兎】


胡桃をベットに引き込んで、がばっと頭から布団を被った。

腰に手を回して抱き寄せると体が少し震えているのが分かる。



「ゆっくり深呼吸して。大丈夫、そばにいるから」



胡桃が雷苦手なのは予想外だった。

知り合ったばかりの頃、胡桃の友達が人質にされてた時なんかいきなり飛び出してきたし、
敵組織に追われながらバイク飛ばしても笑ってたし、
女子に囲まれて嫌味言われても自分で言い返してたし、


随分と肝が据わってて強い女の子だなって思ってた。


だから少し意外だったけど、こうやって俺の知らなかった胡桃の事を知れるのはちょっと嬉しい。



…今夜の雷は随分と激しいな

流石の俺でもちょっと驚く程に大きな音が鳴っている



さっきより落ち着いてきたみたいだけど、胡桃が俺の服の袖をぎゅっと掴んだ。



え、何、可愛いんだけど



こんな時にこんなこと考えてるのもどうかと思うけど、
好きな人が自分を頼ってくれたら誰だって嬉しいだろう

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