総長は、甘くて危険な吸血鬼
「一般生徒は立ち入り禁止のはずだけど。どうやって入った?」
あれ、なんか私すごく警戒されてる?
春流くん、教室にいた時とは少し雰囲気が違くて一瞬違う人かと思った。
声のトーンもさっきより低いし。
『あ、えっと、私の部屋、906号室で…』
別に嘘ついてるわけでもないのに
春流くんの威圧感に
ちょっとしどろもどろになる私。
「906号室?新しく人が来るなんて聞いてないけど。この場所で嘘は通用しないよ」
『いや、嘘じゃなくてホントに!』
何故か春流くんがちょっとずつ距離を詰めてきて
私も少し後ずさる。
「まだ他のみんなは気づいてない。今なら逃してあげるから、罰を受けたくないならさっさと失せな」
『でも、私の部屋、確かにここなはずで…』