総長は、甘くて危険な吸血鬼



「胡桃ちゃんはさ、ここに転校してくる前はどんな所に住んでたの?」


涼しい顔でたばこを吸いながらそばの椅子に腰掛けた天音くん、

思ってたより真面目な質問をしてきたので少し意外だった。



『ここに来る前か…山の方?かな。田舎だったよ』

「山?!すごいな」

『でも家は大きかったよ!景色は田舎なのに家だけお城みたいな…』



城、はちょっと盛ったかもしれないけど、うちの親がそういう趣味だから家はかなり豪華だった。何であんな田舎にあの家建てて住んでたのかいまだに疑問だけど…。



『一人っ子の私にはちょっと大きすぎる家だったけどね…』

「一人っ子なんだ。兄とかいそうなイメージだった」

『え、何そのイメージ!そういう天音くんは兄妹いるの?』



天音くん、妹いそう。なんて考えていたら


「俺は下に妹2人と弟1人、6人家族だよ」


当たった、妹いた。



『いいなー兄妹、ちょっと憧れる』


転校してからは沢山の人に囲まれて、沢山の友達ができたけど、ここにくる前は田舎で人口も少なくて友達なんて少ししかいなかった。兄妹もいなかったし、家族が沢山いるのは純粋に羨ましい。

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