総長は、甘くて危険な吸血鬼
多分、桐葉くんが叶兎くんに言ったんだろうな、
余計な心配かけたく無かったけどまた叶兎くんに助けられてしまった。
安心したら体の力が抜けてきちゃって、ここからの記憶は曖昧だけど。
「胡桃?胡桃…!」
叶兎くんが私の名前を呼んでて、体が浮くような感覚になって、
気づいた時には保健室のベットで寝ていた。
『ん……。ここは…保健室…?』
目を開けると白い天井、そして保健室独特の消毒液の匂いがした。
「どう?体調は」
叶兎くん……?
声の主の方に視線を移すと、ベット横の椅子に
「あ、叶兎は生徒会の方で呼ばれてるから、俺は天音だよ」
天音くんが座っていた。
何だかまた心の中を読まれたような気がする。
『天音くん…?ずっとここに?』
「いやーいつも通り保健室で仕事サボってたら胡桃ちゃんの事姫抱っこした叶兎がいきなり入ってきてさ、流石にびっくりしたよ」
姫抱っこ…!?
体が浮いたような感覚の正体これか…
「で叶兎、かなり忙しいみたいで、俺に胡桃ちゃんの事見といてって頼んでそのまま出てったってワケ」