総長は、甘くて危険な吸血鬼


「“何かあったらすぐに言うこと”って言ったよね?」


あ……

うん、確かにそんな事言われたな…

もしかして体調悪いのを叶兎くんに相談しなかったから怒ってる…?



「変な気使わなくていいから、もっと俺の事頼ってよ」

『叶兎くん…』

「さっき俺が間に合わなかったら胡桃階段から落ちてたからね??」

『う…ごもっともです…』



正直、あそこで叶兎くんが来てくれてなかったら私
今頃保健室じゃなくて病院にいてもおかしくない


「まぁ無事だったから良いけどさ。とにかく、次からは些細な事でも絶対言えよ?」


圧…!
圧がすごいです叶兎くん…

発言に拒否権を持たせないこの圧、総長だ………と変なタイミングで改めて感心してしまった。



『はい……』



圧はすごいけど私を心配して言ってくれてるんだろう

ちょっと倒れたくらいでここまで心配してくれるとは思ってなかった。




「よろしい。…じゃあお説教はこれでおしまいね。」



そう言った叶兎くんは、さっきまでの険しい顔と一変して優しく微笑んだ。

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