総長は、甘くて危険な吸血鬼

『…！！』

「まだ結構熱いね。しんどくない？」



叶兎くんが冷たい手でいきなり私の頬に触れたので、びっくりして反射的に体が動いた。

けどその冷たさが今の熱い頬には気持ち良くて
手を離そうとした叶兎くんの腕を無意識で掴んでいた



「え、どうしたの」


『手…冷たくて気持ちいい』



頬に触れた叶兎くんの手のひらに
すり、と頬を擦り寄せる

自分でも自分の行動が信じられないけど、
全部熱のせいって事にしておこう。



「…………ちょっと、あんまり可愛い事しないでよ。熱ある人襲うわけにはいかないんだから…」



珍しくしどろもどろな叶兎くんの方を見たら、
頬がほんのり赤くなっていた

いつもグイグイくるし普通にキスしてくるし
揶揄ってくるし余裕そうなあの叶兎くんが。


『叶兎くんてば顔赤い』


叶兎くんの照れポイントがよく分からないけど
レアな叶兎くんの姿を見た気がするので若干調子に乗った



「調子に乗るな」



そしたら片手で頬をむぎゅっと掴まれて、
そのままちゅ、と軽くキスされた