総長は、甘くて危険な吸血鬼
『…んー、そうかも』
もうどうにでもなれー!っていう勢いで、普段の私からは想像できない言葉がどんどん出てくる。
今なら風邪を理由に何言っても許される気がする。風邪のせいだもん。
「…風邪治ったら、覚悟して」
『え』
「煽られた分だけ血も貰うから」
叶兎くん、めちゃくちゃ笑顔でそう言った。
怖い。この人怖い
その笑顔が1番怖いです…。
『貧血にならない程度で…お願いしマス…』
「勿論、血だけじゃ終わらないからね?」
……しばらくは風邪ひいてたいかも〜…なんて、
多分私の心臓が持たない
叶兎くん優しいけど、こういうところは容赦ないから…ほんと…毎日毎日心臓が…
「胡桃、顔赤い」
さっきまでの叶兎くんの動揺はどこへやら、いつもの調子で楽しそうに言った。
やり返された
見事にさっき私が言った言葉を、返された
私、叶兎くんにはまだまだ敵わないみたいだ。
『ムカつくっ…!』
「そりゃどうも」
『褒めてないっ!』
「はい、熱が上がる前にさっさと寝て」
結局その後も、私が寝付くまで横にいてくれた。
そこから数時間寝ていたみたいで、目を覚ました時には夕方になっていた。