総長は、甘くて危険な吸血鬼


「へぇ、あいつら結構似合ってるじゃないか」


振り返ると、天音くんと桐葉くんが来ていた。

この2人一緒に文化祭回ってるの…?!と思ったけど


「言っておくが仕事だ。こいつと回ってるわけじゃないからな」


聞く前に桐葉くんに否定された。

生徒会メンバーは午前と午後の仕事をシフトで分けているらしく、午前の担当らしい。春流くんと叶兎くんは今教室にいるから2人は午後仕事ってことかな。


「凪なんかそれ酷くない?!」

「だってお前と一緒にいると…」


桐葉くんがその先の言葉を言う前に、
後ろから女の子達が割り込んできた。


「あの、栗栖くん…だよね?」
「え!栗栖くん来てるの!」
「桐葉くんもいるよ!2人が一緒なんてレア!」


天音くんは生徒会メンバーの中でも1番フレンドリー…というか正直な言葉で言うならチャラいので女の子とも割と仲良くしてるし血も吸ってるからファンが多い。


「ほら見ろ、こうなる」


俺はこうやって囲まれるのはあまり得意じゃない。そう言って逃げるように教室の出口の方へ歩いて行った。


『桐葉くん、もう行くの?天音くんまだ囲まれてるけど…』

「あそこにいると俺まで囲まれるからな。仕事内容は各企画場所の安全点検だしここでもできる」

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