総長は、甘くて危険な吸血鬼

桐葉くんと天音くんを見送った後教室に戻ろうとしたら、入り口付近で後ろから知らない男の子達に声をかけられた。

3人組の男の子で、この学園とは違う制服を着ているので他校から来たのだろう。


『えっと…私に何か？』


私が問いかけたら何やらコソコソ話し出して、1人の男の子が一歩前に出た。


「あの…！れ、連絡先とか交換してもらえませんか！」

『えっ…？！』


叶兎くん達はさっきからずっと女の子に囲まれてるけど、まさか自分がこういう状況になるなんて全く考えていなかったので結構大きい声で驚いてしまった。


『あ…えーっと、その…そういうのはちょっと…』


こういう状況に慣れてない私はなんともあやふやな答えをしてしまう

叶兎くんならスパッと断れるんだろうけど…


『そ、それに私彼氏いるから…！』


さすがに彼氏持ちだったら諦めるでしょ、と思いそう言ったけど特に引く様子もなく、


「そこを何とか！」


男の子がもう一歩近づいてきたので私も一歩後ろに下がると、背中が誰かとぶつかって肩をぐいっと寄せられた。


「俺の彼女に、何か？」


そこにいたのは叶兎くんで、私に声をかけてきた男の子達を鋭い目つきで睨んだ。

た、助けてくれたのはありがたいけど一応文化祭のお客さんだしそんなに睨まなくても…