総長は、甘くて危険な吸血鬼
「それにしても、あそこにいる2人の男の子達は大人気なのね」
『そうですね。生徒会長と副会長で吸血鬼ですし…、凄くカッコいいので』
相変わらず人に囲まれてる春流くんと叶兎くん、さっきまでは女の子ばっかりだったのにいつの間にか男の子も集まっていて、どれだけ人気なのかが一目で分かる。見た目だけじゃなくて、生徒会としての彼らの事をちゃんと評価しているんだと思う。
「貴方は彼のことが好きなの?」
『え!?、』
「ふふ、貴方今、恋する女の子の顔してたわ」
ど、どんな顔…!?
私ってそんなにわかりやすいかな
というか、なんでこんな話に…
「ね、どこが好きなの?」
銀髪の女の人はまるで女子高生みたいに、興味津々に聞いてきた
彼女の前に座っている男の人はさっきから無言でコーヒー飲んでるけど。
そもそも知り合いでもないのに私の恋バナなんて聞いて面白いのか…?
『うーんと…』
でも私が答えるまで逃してくれなそうなので渋々答える事に。
叶兎くんの好きなところ…
『沢山あるけど…やっぱり、“真っ直ぐなとこ”かな』
「真っ直ぐなとこ?」
『…最初は、絶対仲良くなれないと思うくらい印象最悪だったんですけど、関わっていくうちに、どんな時でも真っ直ぐで、根は凄く優しい人だって知って。あんなにハイスペックなのに他人を見下したりしないし…』
って私何普通にペラペラと喋ってんの…!
文化祭に遊びにきただけなのに全く知らない人の恋バナ聞いて楽しいのだろうか
チラッと女の人の方を見ると優しい笑顔で楽しそうに話を聞いてくれていた。