総長は、甘くて危険な吸血鬼


「ふーん、そっかそっか〜」


嬉しそうにそう笑った女の人は、まるでお人形さんみたいに綺麗だ

でもそれ、どういう表情…?

何を考えているのかいまいち掴めない


「ねえ(みなと)、一体誰に似たのかしらね」

「お前だろ」

「いやいや、どう考えてもあなたでしょ?」


その女の人は、目の前の男の人を“湊”と呼んだ。

この2人、叶兎くんと知り合いなのかな?


「あの子が“真っ直ぐ”なんて、素敵な相手を見つけたのね」

「…そうだな」


この2人が叶兎くんを見る表情は、まるで…


「胡桃ちゃん、今度は叶兎と2人でうちへ遊びにおいで。待ってるわ」



あれ、私名乗ってないよね

というか、うちへ遊びにって…?どういうこと?

その女の人と男の人は満足したかのように席を立ち、教室を出る前にもう一度、私に笑いかけた。



……!!

その、赤い瞳…!

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