総長は、甘くて危険な吸血鬼
さっきから情報量が凄くて理解が追いつかないんだけど、朔は私の血が欲しくてさっき誘って来たって事?
吸血鬼って、やっぱりみんな血しか見てないの?
「あ、一応言っておくけど俺は契約とか興味ないからね?血が美味しいのは確かだけど、俺は胡桃の事が好きだから一緒にいるんだよ」
叶兎くんはそう言って私を抱きしめた
私が少しでも不安になりそうな事があればこうやってすぐに態度で示してくれるところ、ずるいよね…
「…絶対、渡さない」
その時、叶兎くんの携帯から着信音が鳴った
電話に出る気がないのか、そのまま鳴り止むのを待っていたけど一向に鳴り止まないので渋々携帯を手に取った。
「天音?何、今忙しいんだけど」
《もう見回り交代時間すぎてるよー》
「…え、もうそんな時間?」
《やっぱ気づいてなかったでしょ。凪に怒られたくなかったら今すぐ集合》
「あー、わかった。行く」
時計を見るともう1時前だった
時間気にしてなかったけど生徒会の仕事あるだろうしこんなゆっくりしてちゃダメだよね
「そろそろ仕事の時間だから行かなきゃ。教室まで送るよ」