総長は、甘くて危険な吸血鬼

「うちのクラスのお化け屋敷、めっちゃ怖いから入るなら覚悟してね」


万円の笑みで天音くんはそう言った

もはやもうその笑顔から怖い


『流風くん、ここはやめよう!』


元々お化け屋敷は苦手なのでできれば入りたくない

こんな1番怖そうなとこ入らなくても…


『あの〜、流風くん?何で私の右腕を掴んでいるのかな?』

「さあ?」


この人…ドSだ…

…叶兎くんも大概だけど。

逃さんぞと言わんばかりに私の腕を掴み列に並び始める流風くん

その流れで後ろのWhite Lillyメンバーも並び始めた


「3人まで同時に入れるみたいだけど凛も一緒に入る?」

「…外で待ってる。向こうで休んでていい…?」

「分かった、あんまり遠くに行かないようにね。なんかあったら連絡してくれれば行くから」


この対応の差よ、おかしいって。

まぁ総長の妹だし大事にするのは当たり前か

……総長の彼女も大事にするべきでは?


「あ、次だよ」

『えっもう!?』

「よし、行くぞ」

『えっ、ちょっと待って!ねえ、流風くん!?』


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