総長は、甘くて危険な吸血鬼


『叶兎くん!仕事終わったの?』

「いや、たまたま通りかかっただけだよ。2人こそいつのまに仲良くなったの?」


仲良く…なれてるのか?

凛ちゃんとまともに喋ったのついさっきが初めてだし…


「胡桃さんは…良い人だから好き」

「凛がそんなふうに言うなんて珍しいね」


凛ちゃん…!!好き…!!

なんて、たった一言で喜んでる私もだいぶちょろい


「さっきナンパから助けてくれた」

「…え、まってそれどこのどいつ?圧かけてくる」


今にも走り出しそうな勢いで叶兎くんは凛ちゃんの両肩を掴んで問う

お兄ちゃんやってる叶兎くんは初めて見たけど、
凛ちゃんのこと大切にしてるんだなぁって伝わってくる。


「お兄ちゃん大袈裟すぎだよ」


普段からこんな感じなんだろうな

過保護な兄と妹、
2人を見てたら何だか微笑ましくなった


「あれ、叶兎じゃん。どうしたの?」


そうこうしていると、屋台の方から流風くんが戻ってきた

両手にはたこ焼きやらクレープやら美味しそうなものをたくさんん持っている。


「ちょっと休憩してるとこ!」

「勝手に抜け出して“ちょっと休憩”ってどう言うことだ生徒会長」

「うわっ、秋斗か。びっくりさせないでよ」


叶兎くんが後ろを振り返ると九条くんが立っていた。

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