総長は、甘くて危険な吸血鬼

牙でつけた傷口から垂れてくる血を、そのまま飲む叶兎くん

……あの、これはこれで恥ずかしいんだけど？！

指先にずっと叶兎くんの柔らかい唇が触れてるし、
血を吸われるって言うよりは舐められてる感覚で…


「目の前に身内いても遠慮ないなあいつ…」
「何か、見ちゃいけないもの見てる気分だわ」


しかも流風くん達が目の前にいるという状況

みんな吸血鬼だから慣れてるのか平然としてるけど…


『っ…！』


…今、叶兎くん一瞬強く噛もうとした？

今のは甘噛みとかじゃなくて、

吸われる場所が普段と違うからかもしれないけど
何か…叶兎くんの吸い方もいつもと違うような気もする


『…叶兎くん？』

「…あ、悪い…何か、ぼーっとして…」

『え、具合悪い？！保健室行った方が…』

「大丈夫、すぐ治ったから」


すぐ治ったって、本当に…？

私が熱出して寝込んだ時は怒ったくせに、自分のこととなると適当なんだよね