総長は、甘くて危険な吸血鬼

「心配してくれてありがと、でも本当に平気だよ。っ、俺そろそろ仕事戻るね」

『あ、うん…』


そう言って、叶兎くんは急ぐ用にその場から立ち去ってしまった

…でも、やっぱり様子が少しおかしい気がした

無理にでも引き止めればよかったかも


「体調悪い時くらい生徒会長の仕事休めば良いのに」

「お兄ちゃん、いつも無理して何でもやろうとする癖あるから…」


文化祭期間の叶兎くんは特に忙しそうだったし疲れが溜まってるんじゃないかな…


「あれは…もしかして…」

『九条くん?』

「…いや、何でもねぇ。ただの憶測だ」


何だか難しい顔をしているようだったけど、
九条くんも仕事があると言って叶兎くんの後を追いかけて行った。

ただの憶測…九条くん、もしかして何か知ってるのかな、
まぁでも本人は平気って言ってたしこれ以上気にしても仕方ないか。

結局その後もこの日は流風くんと凛ちゃん達と学校中を回って文化祭を満喫した。こんなにいろんなクラス回ったの初めてかも。



「片付けとか明日の準備とかしてたら結構遅くなっちゃったな、もうみんな寮に帰ってるかな?」


文化祭1日目終了後、クラスの方で作業してたらあっという間に日が暮れてもう夜の20時を回っていた。生徒会のみんなは別仕事だから叶兎くんも春流くんも教室にはいない。

寮の部屋へ行くためにエレベーターを待っていると、
開いたエレベーターの扉から天音くんが出てきた。


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