総長は、甘くて危険な吸血鬼
「てか天音は?」
「あー、なんか出かけるって言って出てった」
『天音くんならさっきエレベーターの前で会ったけど野暮用が…みたいなこと言ってたよ』
この時間に誰かが出かけるのはどうやら日常茶飯事らしく、みんな特に驚いてはいないみたいだ
「そういえば、あの後大丈夫だった?」
『あの後?』
春流くんがテーブルの料理を取りながら言った、
ずらっと並んでいるご馳走様は全て九条くんが作ったらしい。
あの後……朔と会った時のことかな
「怪我とか…」
『平気だよ!心配してくれてありがとう』
血を吸われたので怪我はしてなくはないけど、叶兎くんが治してくれたので…
とはいえまさか朔に血を吸われるなんて思ってもみなかったけど
「ちょっと待った、初耳なんだが。文化祭中に何かあったのか?」
「BSの総長が胡桃に接触してきたんだよ」
「えっ、」
「は…?!BSの総長!?おい叶兎、そういう事はちゃんと知らせろ」
天音くんは知ってたみたいだからてっきりみんな知ってるのかと思ったけど、桐葉くんと飛鳥馬くんは食事の手を止めて私を見た。
九条くんは…知ってたっぽい?
「しばらく1人で行動するのは控えた方がいいかもね」