総長は、甘くて危険な吸血鬼
怖い、
今までこんなことなかったのに、急に、何で
このままじゃヤバい、でも自分じゃどうすることもできない
そう思った時、「開いた…!」と九条くんの声が聞こえて
部屋に走り込んできた。
「っ!?ちょ、叶兎お前…!」
叶兎くんがもう理性を失っている事に即座に気づいた九条くん、
無理やり叶兎くんを私から引き剥がして、
叶兎くんの口に何かを放り込んだ
「落ち着け、お前、いくら何でも吸いすぎだ」
しばらくすると荒かった息も落ち着いて、段々と瞳に光が戻ってきた
「あと…その、胡桃、チャックだけ閉めてもらえるか…」
『えっ?!あ、ごめんっ!』
九条くんがちょっと気まずそうに目を逸らしながら言うので、
自分がどんな格好していたか思い出して即座にパーカーのチャックを閉める。
傷口を治してもらっていないので血がついてしまうけど、
もうすでに服についているので諦めた。
「俺……今…胡桃に…」
叶兎くんは私を見るなり顔を青ざめて、
私に近づく事を恐れるように、後ろに後ずさる
「叶兎は一回そこ座って落ち着け。…胡桃、大丈夫?」
『うん、九条くんが来てくれたからなんとか…。でも叶兎くん、何だか様子がおかしかった』
叶兎くんは私が本気で嫌がる事は絶対にしない、
名前を呼んでも、やめてって言っても
声が届かないみたいで…