総長は、甘くて危険な吸血鬼
「初めてなんだ…自分から吸いたいって、思ったのは」
赤羽くんの視線が私を捉えて、
そのまっすぐな瞳に、私は動けなかった。
「…俺は直接吸血することはほとんどない。不味いし体調悪くなるしで普段は輸血パックから飲んでるけど」
今朝会った時、桐葉くんが赤羽くんに
“いい加減輸血パックの食事をやめて直接血を吸うようにしたらどうだ”
って言っていた。
本当に普段は吸わないんだろう
でも、ならどうしていきなり…??
それにさっき貧血で倒れたばっかだし…
『でも…』
あの時の春琉くん、怖かった
もし赤羽くんもあんな風になったら…
「…アイツみたいに貧血になるまで飲んだりはしない。」
赤羽くんはまるで私の思考が
分かっているかのようにそう言った
圧倒的に私が不利なこの状況だけど、無理に吸おうとはしてこない。
私の許可を、ちゃんと貰おうとしている。