総長は、甘くて危険な吸血鬼


「羽雨、“Jack”以外で“BLACKSKY”にやられたところは?」


「今来てる報告は“Jack”だけ、でも、たまたま居合わせた秋斗によると“BS”の組織人数がかなり増えてるらしい」



赤羽くんが言ったその単語も
飛鳥馬くんが答えたことの意味も

今の私には何も分からないけど

とにかくみんなにとって何かしら大変なことがあったってことは理解した



人手が足りないなら手伝ってあげたいけど
私が力になれるようなことではない気がする


なんて考えていると、

斜め前のソファーに座っていた赤羽くんと一瞬視線が合った

昨日のこともあって、反射で目を逸らしてしまう



「暇ならこっち来て」


『え、私?』


「他に誰がいんの」




言われた通り赤羽くんのそばに行くと

赤羽くんは右手でペンを動かしたまま
左手でソファーをポンポンと叩いた


つまり、え、隣座れってこと…?


目的がよく分からないまま
とりあえず赤羽くんの隣に座る


手元の書類がひと段落した赤羽くんは

ペンを置いて私の方に体を向けた

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