総長は、甘くて危険な吸血鬼

そっと肩を掴まれて

いまいち状況が読めなくて固まっていると

無言のまま近づいてくる赤羽くん



『……えちょっと待って、何?』



私がそう話しかければ
赤羽くんはピタッと動きを止めた



「何って、血を吸うだけ」



そして表情ひとつ変えずそう言った。


いや、意味がわからないんですけど


まさか昨日の話本当に…


いや、でも私
“いいよ”なんて一言も言ってない!

そう言い返そうと思えば、
私が口を開くよりも先に周りのみんなが



「「「え?」」」



と声を揃えた。




「叶兎が………血を、吸う………?」

「あの叶兎が?人間から、直接……?」




顔を見合わせた桐葉くんと春流くん

赤羽くんは人間から直接血を吸うことはしないって言っていたから驚いているんだろう。


< 42 / 259 >

この作品をシェア

pagetop