総長は、甘くて危険な吸血鬼
「……今、俺の目見て綺麗って思ったでしょ」
布団を被ったまま
私の上に馬乗り状態の栗栖くんが
私の耳元でそう囁いた
と言っても私に体重をかけないように
腕と足で自分の体重を支えて気遣ってくれている
…バレてる!!
何か心を読まれたみたいで思わず目を逸らす
『えっ、いや…』
いきなり視界が明るくなったと思えば
栗栖くんが、私達の上に被さっていた布団を床に放り投げた。
「ねえ、叶兎があんな風に言うなんて胡桃ちゃんの血ってどんな味するのかな」
私を上から見下ろす栗栖くんの表情を見て
なんだか怖くなった
吸血鬼ってみんなこうなのかな
私じゃなくて、私の血を見てる。
『…栗栖くん、近い。』