総長は、甘くて危険な吸血鬼

叶兎くんは、ずるい









「ねえ、ちょっといい?」



教室に戻ろうと保健室から出てすぐ、
後ろから肩を掴まれた。



『えっと、私に何か用__』



振り返ればそこには数名の女子が立っていて

その視線を見れば誰だって分かる

私、この人達から嫌われてる、って



「あんたさぁマジで何なの?」


『…何なのって、何が?』



何が?なんて聞かなくても分かるのに
咄嗟にそう返答してしまった

どうせWhitelilyのファンクラブの子達とかだ




「とぼけないで。転校生のくせに月城くんの事なんか下の名前で呼んじゃって、挙句の果てにはあの赤羽くんに血を吸われるとか。さっき栗栖くんとも話してたみたいだし、マジありえないんだけど」


『……』


「は?何、シカト?」



だって、そんな事言われても何て返せば良いのか…

どうせ私が何を言っても余計イライラさせるだけだ


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