総長は、甘くて危険な吸血鬼


まぁでも何で叶兎くんが生徒会長なんだろう
って思ってたのは本当だけどさ


正直、普段の叶兎くんを見てる限り

少なくとも生徒会長には見えない。


だって見るからに女子にはめちゃめちゃ愛想悪いし、なのにきゃーきゃー言ってる女子が沢山いるのも不思議。



「…叶兎は、かっこいいんだよ」



叶兎くんの方を見ながらそう呟いた春流くん

その視線を見たら、本当に叶兎くんのことを慕っているんだなって分かる、そんな優しい目だった。



『かっこいい…顔、が?』


「叶兎は確かにイケメンだけど、それだけじゃない」



春流くんが言葉を続けようとしたその時、教室の扉が勢いよく開いた。



「赤羽くんーーっ!1、2年が喧嘩してて大変なことに…」

「叶兎!!女子二人が黒ずくめの男集団に囲まれててっ…!」



二人の女子生徒と男子生徒が息を整えながらそう言った。多分走ってきたんだろう。

そしたらいきなり叶兎くんが立ち上がって



「場所は?」


「2号塔1階廊下!」

「校門近くの中庭、行けばすぐ見つかる!」


< 67 / 259 >

この作品をシェア

pagetop