総長は、甘くて危険な吸血鬼


その時、叶兎くんの背後に人影が見えて

キラッと、金属が光った。

…っ危ない!


私にできることなんてほとんどないのに、考えるより先に身体が動いていた。



『叶兎くん後ろ!!!』



5人の男が叶兎くん達の方へ向かったと同時に走って瑠奈ちゃんと心音ちゃんの前に立ち塞がっていた1人の男を、勢いよく足蹴りで倒れさせてそう叫んだ。



「胡桃?!…っ!」



叶兎くんは振り返ると後ろからバットを持って襲ってきた男をいとも容易く殴って投げ飛ばす。


「心音ちゃん瑠奈ちゃん大丈夫?!何もされてない?」

「胡桃っ!?うん、大丈夫。ありがとう…」


2人が無事でホッとした

けどそれもつかの間、7人の男全員が私を見ていた。


『あ、えっと…………』


ちょっと、いや、だいぶまずい

叶兎くん達が殴る前に、私に向かって距離を詰めてきている

何も考えずに出てきてしまった自分が情けない



「お前、“朝宮胡桃”か?」



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