総長は、甘くて危険な吸血鬼


「確かにそれもそうだねー」


羽雨がそう言いながら俺の方を見た

その表情はわざとらしいくらいニコニコしていて、多分、羽雨には俺の考えを見抜かれてる気がする


「ひとまず胡桃の事は俺達が守るから、何かあったら必ず誰かに助けを求めて。」


『…わかった。ありがとう』


「じゃあ一旦教室戻ろうか、急げば1限に間に合うよ」


春流がそう言って生徒会寮の扉を開けて
それに続いて他のみんなも部屋の外に出ていく


俺も教室に戻ろうとソファーから立ち上がると、一瞬視界がグラっと揺れた


最後に胡桃が部屋から出る背中姿が見えて



……あー、結構やばい


そのまま前に体重がかかってーーー



『叶兎くんっ!?』



あ、倒れる。と思ったところで、気づいたら胡桃が目の前にいて俺を支えていた。


< 78 / 259 >

この作品をシェア

pagetop