総長は、甘くて危険な吸血鬼
『叶兎くん、どうしたの?!具合悪い…?』
……吸いたい
胡桃の血が、欲しい
多分、昨日の夜から血を飲んでなかったのに今朝体力を使ったせいで軽い貧血を起こしてる
元々俺は人より血を飲まないと気力を保てない体質だ
胡桃は俺の体を支えながら、そっとソファーに座らせてくれた
「お前の、血が……欲しい」
『血…?!う、うん分かった。それで体調が良くなるなら…』
…あれ、もっと拒否られるかと思ってた
でもまぁ本人が良いって言ったんだし遠慮しなくて良いよね
隣にいる胡桃の肩を掴んで、
首元に牙を立てた
少し飲んだだけで体調が回復してくる
おまけに味は美味しいし、胡桃に会うまでは、こんなに美味しい血が存在するなんて思ってなかった
今までも仕方なく血は飲んできたけど、
お世辞でも美味しいと感じなかったのに
胡桃の血を飲んで、初めて血を美味しいと感じた