総長は、甘くて危険な吸血鬼
『…も、もう大丈夫?』
「うん、ありがとう。もう平気、ちょっと貧血だっただけだから」
俺が血を吸い終わった事を確認すると
胡桃が心配そうに顔を覗き込んできた。
心配してくれてるって思うとちょっと嬉しい
けど胡桃には心配はかけたくない
…だってお前を守るとか言っときながら、その相手に心配されてたらダサいだろ
『授業始まっちゃうから私教室戻るけど、まだ体調悪いなら無理しないほうが…ーー』
「ここにいてよ」
『…!?』
そう言って隣に座る胡桃の肩に寄りかかると、驚いたのか、胡桃は固まった
『…あ、あの、叶兎くん?』
「何?」
『それは私の方が聞きたいんですけど…』
「……」
やっぱり、胡桃は
今まで会ってきたどの女とも違う
親切だし、優しいけど
俺に媚を売るような目は全く無い
俺と、対等に接してくれる