総長は、甘くて危険な吸血鬼
Whitelove2
夜の街を、二人で
ーー19時
裏門の前でしばらく待っていると、
ギィ…と誰かが外から門を開いた。
「胡桃、こっち」
物陰から少し顔を出した叶兎くんは
手招きするように小声で私を呼んだ
こんな時間に外出なんて、バレたらどうなることやら…
ここの学園は全寮制で門限は19時、
それに外出には事前に申請が必要だ
「他の人に見られるとめんどくさいから説明は後、とりあえず乗って」
裏門を出た道で待っていたのは、3台のバイク
天音くんと飛鳥馬くん、桐葉くんと春流くんが1台ずつ二人乗りをしていて、多分この状況を見た限り私は叶兎くんの後ろに乗れってことだろう
『え、え、バイク?!』
学園の校則で免許取得は禁止されてたからみんながバイクに乗ってる事に驚いたけど、既に校則フル無視なのは分かってたので冷静に……って思ってもやっぱ驚く
学校生活で生徒会として活動してる時はしっかりしてるのにプライベートになるとこの人達割とこういうところあるよね
なによりバイクの後ろなんて乗った事ない
「捕まってれば落ちたりしないから早く乗って」
『わ、わかった。失礼しますっ…』
そっと叶兎くんのバイクの後ろに跨って
叶兎くんの肩を軽く掴んだ