総長は、甘くて危険な吸血鬼


「っ別に…返事が欲しくて言ったわけじゃないから、ただ、俺の気持ちを知っててほしい」


叶兎くん…

真剣に、私の目を見てそう言った叶兎くん

最初は目も合わせてくれなかったのに

だからこそ、この言葉は嘘じゃないんだって思う。


私は叶兎くんの事、
どう思ってるんだろう…


その時、後方からブーン!!と大きなバイクの音が鳴り響いた


「…バイクの音…?っ乗って!」

『え、急にどうしたの?』


叶兎くんの焦った声が聞こえたと同時に腕を引っ張られて、倒れかけた身体を支えようとバイクに手を付く


「うしろ」


後ろから聞こえたバイクの音、

それも、1台どころじゃない


「はやく乗って、あいつら俺達を狙ってる」

『え…?!』


何台ものバイクが、こちらに向かって猛スピードで向かってきているのが見える


「飛ばすからしっかり捕まってて」


私がバイクに座ったのを確認すると叶兎くんも猛スピードでバイクを走らせた


< 96 / 259 >

この作品をシェア

pagetop