私を、甘えさせてください
相澤さんと私は、会議室に促された。


「さっきは悪かった。みんなに聞こえるところで続けるわけにはいかなかったから」

「いえ、私こそ申し訳ありませんでした。プライベートなことでしたよね・・」


そういえば、前に相澤さんとふたりで飲みに行った時に・・。

『もともと本部長のことを良く思っていなかった新しい上司が、理由を付けて潰しにかかったんじゃないか・・って』


新しい上司が、もしかして・・空川 和真?


「相澤さんは、JHコンサルに知り合いがいるんだっけ?」

「はい。大学の時の友人が、新城さんという方のアシスタントをしています」

「へぇ・・新城さんか。なるほど、じゃあ単なる噂話を仕入れたってわけじゃなさそうだね」


彼は私に視線を移して、説明してくれた。


「新城さんは、兄貴と同じシニアパートナーなんだ。担当する分野は違うけどね。

だから当然社内事情には精通してるし、そのアシスタントに聞いたなら、ほぼ正確だろうな。
ま、口の軽いアシスタントはどうかと思うけどね」


そう言って苦笑いする。


「じゃあ聞こうか。相澤さんは何を知ってる?」

「私が友人に聞いたのは・・」

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