私を、甘えさせてください
空川 和真は、私にひと通りの説明をしてくれた。
全ては、川上(かわかみ)という男をJHコンサルから追放するためだったと。
川上・・とは、拓真をクビにしたシニアパートナーだ。
「会社のカネの流れに不審な形跡があってね。私は2年ほど水面下でそれを追っていたんです」
彼が話していた『特別な役職』というのは、周りの目を逸らすためのものだったのか・・。
「なんとか突き止めて物証も抑えたが、全てを明るみに出すには、川上を油断させ、川上自身の口からカネに手をつけたと言わせる必要があったんです」
そのために、まずは噂を流したという。
空川 和真が、力ずくでクライアントを開拓し、そして優さんと不倫しているという噂を。
「え、でも、優さんとは・・」
「不倫ですか? 不倫・・はしてないです。私も優も、結婚してませんし」
「ええっ」
「不倫しようと目論んだのは、川上ですよ。
執拗に優を誘って・・。だから、もう結婚していて、更に私と不倫していると知れば、手を出さないだろうと」
そう・・だったんだ。
何も知らずに誤解していた。
優さんを守るためだったなんて。
全ては、川上(かわかみ)という男をJHコンサルから追放するためだったと。
川上・・とは、拓真をクビにしたシニアパートナーだ。
「会社のカネの流れに不審な形跡があってね。私は2年ほど水面下でそれを追っていたんです」
彼が話していた『特別な役職』というのは、周りの目を逸らすためのものだったのか・・。
「なんとか突き止めて物証も抑えたが、全てを明るみに出すには、川上を油断させ、川上自身の口からカネに手をつけたと言わせる必要があったんです」
そのために、まずは噂を流したという。
空川 和真が、力ずくでクライアントを開拓し、そして優さんと不倫しているという噂を。
「え、でも、優さんとは・・」
「不倫ですか? 不倫・・はしてないです。私も優も、結婚してませんし」
「ええっ」
「不倫しようと目論んだのは、川上ですよ。
執拗に優を誘って・・。だから、もう結婚していて、更に私と不倫していると知れば、手を出さないだろうと」
そう・・だったんだ。
何も知らずに誤解していた。
優さんを守るためだったなんて。