くたびれOL、魔王様の抱き枕を拝命いたしました!?
憎悪に満ちたギラつく瞳で睨み付ける女性は、もの凄い力で理子の手首を握りしめた。
「お前が! お前のせいで!!」
長い爪が手首の皮膚に食い込み、プツリッと皮膚が破れて血が滲み出る。
「いたっ! やめて!」
痛みと半泣きとなった理子に、女性は赤い唇を歪ませて魔女を彷彿させる笑みを浮かべた。
手首の痛みと、女性を拒絶する感情に呼応したように右耳の赤い玉が熱を持つ。
痛みと恐怖の感情から、“嫌な感情を抱いても、誰も傷付けてはいけない”と抑えていた感情の枷が外れてしまった。
どくんっ
赤い玉が脈打つのを感じて、恐怖に支配されかかっていた理子は我にかえった。
「あ、だめっ! 私から、離れて!?」
身を引いて女性から距離を取ろうとしても、彼女は手首を解放しようとはしない。
バチィッ!
強力な静電気が発生し、電気が弾けた痛みで顔を歪めた女性は堪らず理子の手首から指を離す。
一歩下がった女性を追随するように、理子の周囲から発生した青白い光が瞠目する女性の全身へと絡み付いた。
バチバチバチッ!!
「きゃあああぁ!?」
青白い光、電撃により女性の全身が炎に包まれる。
激しい光と電流が弾ける音が無人のアーケード街に響き渡った。
肉が焼ける、臭いと鼻に刺激を与える形容しがたい臭いが漂よい、理子は込み上げる吐き気を口元を手で覆い必死で堪える。
立ち上る白煙が収まった女性の姿は、体のあちこちに火傷を負い、ネグリジェは上半身の半分近くが焼け焦げてしまっていた。
「あ、ああ……私の顔が! 顔がぁ!!」
悲鳴を上げながら、女性が顔を覆っていた両手をどける。
「ひっ」
呆然と凄惨な光景を見詰めていた理子は、女性の顔を見てを声を上げてしまった。
女性の顔は無惨にも赤黒く焼け爛れ、睫毛眉毛はおろか表皮は爛れ焼け落ち、頬からはだらりと血が滴り落ちる。可憐で美しかった姿は見る影も無くなっていたのだ。
(また、私のせいで傷付けてしまった。早く救急車を呼ばなければ)
スマートフォンを入れたバックは手首を掴まれた時に落としてしまったため、バックを拾おうと動きたいのに膝が震えて動けない。
「ああ、私の顔が……赦さない! 赦さないぃ!」
譫言のように「顔が」と呟いていた女性は、唇の端から涎を滴しながら狂気が宿る瞳を理子へ向けた。
目を血走らせた女性が、「きいやぁー」と奇声を発して理子へ襲いかかる。
火傷まみれの指先が、恐慌状態の理子へ触れようとして……
ボゥ!
理子の周囲に現れた赤い膜のようなものに触れた女性の指先から炎が上がった。
「ぎゃあっ!?」
瞬く間に女性の全身は炎に包まれていく。
「ぎいやあぁあ!」
赤赤と燃え上がり渦を巻く炎に飲み込まれ、女性の姿は黒い影しか見えなくなる。
恐ろしい断末魔の悲鳴だけが理子の耳へと届いた。
人の体を焼き尽くす程の猛火は、魔王の加護の力か理子には熱が届かない。
炎中で人影が崩れていくのを見ていられずに、理子は自分の両腕で肩を抱いてぎゅっと目蓋を閉じた。
「お前が! お前のせいで!!」
長い爪が手首の皮膚に食い込み、プツリッと皮膚が破れて血が滲み出る。
「いたっ! やめて!」
痛みと半泣きとなった理子に、女性は赤い唇を歪ませて魔女を彷彿させる笑みを浮かべた。
手首の痛みと、女性を拒絶する感情に呼応したように右耳の赤い玉が熱を持つ。
痛みと恐怖の感情から、“嫌な感情を抱いても、誰も傷付けてはいけない”と抑えていた感情の枷が外れてしまった。
どくんっ
赤い玉が脈打つのを感じて、恐怖に支配されかかっていた理子は我にかえった。
「あ、だめっ! 私から、離れて!?」
身を引いて女性から距離を取ろうとしても、彼女は手首を解放しようとはしない。
バチィッ!
強力な静電気が発生し、電気が弾けた痛みで顔を歪めた女性は堪らず理子の手首から指を離す。
一歩下がった女性を追随するように、理子の周囲から発生した青白い光が瞠目する女性の全身へと絡み付いた。
バチバチバチッ!!
「きゃあああぁ!?」
青白い光、電撃により女性の全身が炎に包まれる。
激しい光と電流が弾ける音が無人のアーケード街に響き渡った。
肉が焼ける、臭いと鼻に刺激を与える形容しがたい臭いが漂よい、理子は込み上げる吐き気を口元を手で覆い必死で堪える。
立ち上る白煙が収まった女性の姿は、体のあちこちに火傷を負い、ネグリジェは上半身の半分近くが焼け焦げてしまっていた。
「あ、ああ……私の顔が! 顔がぁ!!」
悲鳴を上げながら、女性が顔を覆っていた両手をどける。
「ひっ」
呆然と凄惨な光景を見詰めていた理子は、女性の顔を見てを声を上げてしまった。
女性の顔は無惨にも赤黒く焼け爛れ、睫毛眉毛はおろか表皮は爛れ焼け落ち、頬からはだらりと血が滴り落ちる。可憐で美しかった姿は見る影も無くなっていたのだ。
(また、私のせいで傷付けてしまった。早く救急車を呼ばなければ)
スマートフォンを入れたバックは手首を掴まれた時に落としてしまったため、バックを拾おうと動きたいのに膝が震えて動けない。
「ああ、私の顔が……赦さない! 赦さないぃ!」
譫言のように「顔が」と呟いていた女性は、唇の端から涎を滴しながら狂気が宿る瞳を理子へ向けた。
目を血走らせた女性が、「きいやぁー」と奇声を発して理子へ襲いかかる。
火傷まみれの指先が、恐慌状態の理子へ触れようとして……
ボゥ!
理子の周囲に現れた赤い膜のようなものに触れた女性の指先から炎が上がった。
「ぎゃあっ!?」
瞬く間に女性の全身は炎に包まれていく。
「ぎいやあぁあ!」
赤赤と燃え上がり渦を巻く炎に飲み込まれ、女性の姿は黒い影しか見えなくなる。
恐ろしい断末魔の悲鳴だけが理子の耳へと届いた。
人の体を焼き尽くす程の猛火は、魔王の加護の力か理子には熱が届かない。
炎中で人影が崩れていくのを見ていられずに、理子は自分の両腕で肩を抱いてぎゅっと目蓋を閉じた。