くたびれOL、魔王様の抱き枕を拝命いたしました!?
「きゃあっ!」
必死の抵抗虚しく、理子の体はカルサエルによって長椅子へと押し付けられていた。
ふかふかしたクッション材の座面に体が沈み込む感覚は、恐怖しか感じられなかった。
「離して! 私に触らないでっ」
のし掛かってくるカルサエルから逃れようと、理子は必死で足を動かす。
「ふふふっ、私のお妃様は見た目に反して気が強いとは、屈服させがいがあって、なかなかそそるな」
暴れる脚を簡単に押さえ込んだカルサエルのコバルトブルーの瞳は、加虐的な愉悦を感じて煌めく。
「わ、私は、貴方のモノじゃない!」
乱れたスカートの裾から冷たい手が中に侵入し、ゆっくり太股を撫でる。
「やぁ止めてっ」
更にスカートの奥へと進もうとする手を、理子は両手で押さえる。
「拒んでいても、いずれ貴女は私のモノとなるのですよ。それを、今から分からせて差し上げましょうか」
クツリと捕食者の笑みを浮かべたカルサエルは、抵抗する理子の両手首を片手で掴むと、魔法で出現させた黒い腰紐のような紐で縛った。
両手を頭上で縛られるという、貞操の危機に、込み上げてくる涙を溢れ出さないように堪える。
「私は、魔王様の、シルヴァリス様のモノなの!」
ビリッ!
言い終わらないうちに、カルサエルの指がカットソーの襟首へかかり一気に布地を破る。
「いやぁっ!」
両手首は頭上で縛られて、両足はカルサエルの体によって押さえ付けられている状態で、理子は唯一動かせる首を動かして抵抗する。
「今頃、魔王は聖剣を持つ勇者と戦っている。世界を闇に染めた先々代魔王を葬った聖剣だ。現魔王とて無事では済むまい。万が一、勇者が敗北しても、弱った魔王は私が倒す。貴女には、これ以上魔王の名を呼べぬように、体に私を刻み付けてやろう。そして、その体に宿す魔力を私に寄越せ。魔力を寄越せば貴女には用はない」
胸元に顔を埋めたカルサエルの冷たい唇が、紅赤色に色付く妃の印に触れる。
妃に、妻にすると言いつつ、狙いは理子の中にあるシルヴァリスの強い魔力か。
悔しい、こんな男に好き勝手されるのは。魔法が使えれば、戦えれば多少は抵抗できるのに。
「止めて! シルヴァリス様!!」
力の限り叫んだ。
絶対泣くものか、と堪えていた涙がボロボロ零れ落ちた。
例え、勇者だろうと聖剣だろうと魔王は負けない。
そして、この印に触れていいのは愛する未来の旦那様、魔王シルヴァリスだけ。
バキバキ!!バリーン!!
凄まじい轟音と共に、テラスに繋がる窓と壁面が吹き飛んだ。
広くなった視界に、ごうごうと渦巻く風と闇色の空を引き裂く稲妻が見える。
「我が妃から離れろ」
跡形も無く吹き飛んだテラスの方から聞こえてきた声は、怒りを飛び越えて全ての感情が消えた機械的な声色。
それでいて、聞く者へ拒否権を与えない絶対権力者の響きが混じっていた。
「まさか!? くっ!」
理子に跨がったまま胸元へ触れていたカルサエルの指先が、突如深紅の炎につつまれる。
顔を歪めつつ、ちっと舌打ちをしたカルサエルは、腕を一振りして炎を吹き飛ばした。
「我が妃から離れろと命じたのが分からぬか?カルサエル・ダルマン」
静かな怒りを湛えた魔王シルヴァリスが、荒れ果てた室内へと降り立った。
必死の抵抗虚しく、理子の体はカルサエルによって長椅子へと押し付けられていた。
ふかふかしたクッション材の座面に体が沈み込む感覚は、恐怖しか感じられなかった。
「離して! 私に触らないでっ」
のし掛かってくるカルサエルから逃れようと、理子は必死で足を動かす。
「ふふふっ、私のお妃様は見た目に反して気が強いとは、屈服させがいがあって、なかなかそそるな」
暴れる脚を簡単に押さえ込んだカルサエルのコバルトブルーの瞳は、加虐的な愉悦を感じて煌めく。
「わ、私は、貴方のモノじゃない!」
乱れたスカートの裾から冷たい手が中に侵入し、ゆっくり太股を撫でる。
「やぁ止めてっ」
更にスカートの奥へと進もうとする手を、理子は両手で押さえる。
「拒んでいても、いずれ貴女は私のモノとなるのですよ。それを、今から分からせて差し上げましょうか」
クツリと捕食者の笑みを浮かべたカルサエルは、抵抗する理子の両手首を片手で掴むと、魔法で出現させた黒い腰紐のような紐で縛った。
両手を頭上で縛られるという、貞操の危機に、込み上げてくる涙を溢れ出さないように堪える。
「私は、魔王様の、シルヴァリス様のモノなの!」
ビリッ!
言い終わらないうちに、カルサエルの指がカットソーの襟首へかかり一気に布地を破る。
「いやぁっ!」
両手首は頭上で縛られて、両足はカルサエルの体によって押さえ付けられている状態で、理子は唯一動かせる首を動かして抵抗する。
「今頃、魔王は聖剣を持つ勇者と戦っている。世界を闇に染めた先々代魔王を葬った聖剣だ。現魔王とて無事では済むまい。万が一、勇者が敗北しても、弱った魔王は私が倒す。貴女には、これ以上魔王の名を呼べぬように、体に私を刻み付けてやろう。そして、その体に宿す魔力を私に寄越せ。魔力を寄越せば貴女には用はない」
胸元に顔を埋めたカルサエルの冷たい唇が、紅赤色に色付く妃の印に触れる。
妃に、妻にすると言いつつ、狙いは理子の中にあるシルヴァリスの強い魔力か。
悔しい、こんな男に好き勝手されるのは。魔法が使えれば、戦えれば多少は抵抗できるのに。
「止めて! シルヴァリス様!!」
力の限り叫んだ。
絶対泣くものか、と堪えていた涙がボロボロ零れ落ちた。
例え、勇者だろうと聖剣だろうと魔王は負けない。
そして、この印に触れていいのは愛する未来の旦那様、魔王シルヴァリスだけ。
バキバキ!!バリーン!!
凄まじい轟音と共に、テラスに繋がる窓と壁面が吹き飛んだ。
広くなった視界に、ごうごうと渦巻く風と闇色の空を引き裂く稲妻が見える。
「我が妃から離れろ」
跡形も無く吹き飛んだテラスの方から聞こえてきた声は、怒りを飛び越えて全ての感情が消えた機械的な声色。
それでいて、聞く者へ拒否権を与えない絶対権力者の響きが混じっていた。
「まさか!? くっ!」
理子に跨がったまま胸元へ触れていたカルサエルの指先が、突如深紅の炎につつまれる。
顔を歪めつつ、ちっと舌打ちをしたカルサエルは、腕を一振りして炎を吹き飛ばした。
「我が妃から離れろと命じたのが分からぬか?カルサエル・ダルマン」
静かな怒りを湛えた魔王シルヴァリスが、荒れ果てた室内へと降り立った。