キミの愛情120%
ついじっと見ていると、先輩はリナの思考を見透かしたような瞳を細めて笑った。
「里菜ちゃん、今日は一段と可愛いね。お姫様みたい」
横で通りすがりのおねえさんが「ヒャア」とか細い声をあげた。顔を真っ赤にして足早に離れていく。
視界からおねえさんがいなくなっても、リナは声ひとつあげられないまま固まっていた。
可愛いなんて言われ慣れてるのに。
お姫様みたいだって? 大天使リナちゃんを前に、なんてありきたりで陳腐な褒め言葉。
……なのになんでこんなに、ドキドキしちゃうの?
「あ、あ、あ……」
「うん?」
当たり前。リナが可愛いなんて、あたりまえ……。
「あ……」
「あ?」
「あ、りがとう、ございます……」
ガチ照れしながらお礼言ってしまった。うそでしょ自分。
予想外だったのか、先輩もぽかんとしていた。やがて肩を震わせて笑い始める。