キミの愛情120%
┗人生最高のクリスマス
クリスマスイブの映画館は予想以上に混んでいて、券売機の前の行列を見てうわっと顔をしかめてしまった。
「チケットとれるかな……」
「あ、予約してあるから大丈夫だよ」
「えっ! あ、ありがとうございます」
さすが、用意がいい。ディナーの予約はしたけど、映画の予約までは頭になかった。
予約済み用の列はすいていて、時間はあまりかからなそうだ。
「でも、ホントにこの映画でよかったの?」
「え?」
「いや、この時間帯に観るならこの映画かなーと思ってあのときは言ったけど、SFとか里菜ちゃん好きじゃなかったら申し訳ないなと思って」
「あ、それは全然大丈夫です。普段見るのは恋愛ものが多いですけどぉ……こういうのも、好きになったので」
「好きに“なった”?」
リナ達の順番になって、先輩がスマホの予約画面を見ながら券売機を操作する。手際のいいその姿を見ながら、話を続けた。