キミの愛情120%
「……そっか。里菜ちゃんはそうやって、好きなものを増やしていくんだね」
優しく目を細めてリナを見つめる先輩に、ハッとした。
「ご、ごめんなさい。リナ、気づいたらいつも二人の話ばっかりしてますよね」
「え? 全然いいのに。里菜ちゃんから二人の話聞くの面白いよ」
「……興味なかったら、ちゃんと言ってくださいね」
「大丈夫だからどんどん話してー」
先輩にはリナの二人へのおもーい愛を話してしまっているから、つい語ってしまう。自分の話ばかりするのは爆モテ天使リナちゃんにあるまじき行為だ。
シアターに入るとすでにほぼ席が埋まっていたけど、先輩が予約してくれた席はちょうど真ん中で映画を見やすい位置だった。
隣同士に座ると、当然だけどすぐ近くに先輩がいてドキッとした。
「ん?」
無意識に整った横顔を見つめていたら、先輩が何気ない感じでこっちを向く。
「どうしたの」
首を少しだけ傾けて、目を細める。それだけで胸がどきどきうるさくて、またもや会話不成立なコミュ障女になりそうだ。
なんなのそれは、映画館テクニックか? その仕草だけで何人の乙女を奈落に落としてきたんだよ。