キミの愛情120%


「あとぉ、伏線回収もすごかったですね~。最初の方にすこーしだけ映ってたメモの模様、ラスボスが着てた服の模様と一緒だったからびっくりしちゃいましたあ」

「えっ、ほんとに? よく気づいたね」

「たまたまですよ~。えへへ、チョコちゃんがそういう映画の観方?みたいなの教えてくれたんです。一見なんでもないようなシーンでもちゃんと意味があるのよって」

「……へえ」

「あっ、グッズ見ていいですか!?」


先輩の返事を待たずにグッズコーナーへ向おうとすると、ぱしっと腕をつかまれて引き留められた。

えっ。


「……べつに、里菜ちゃんがふたりのこと大好きなのはいいんだけどさ、」

「……え?」


先輩は珍しくうつむきがちに、目をそらしてぼそぼそ言う。

そして、ばつが悪そうな赤い顔をして、リナを見た。

「……今は俺とデートしてるんだから、ふたりより俺のこと考えてよ」

「…………か、」


考えてるよ!! めちゃくちゃ!!


叫びそうになったけど必死にこらえた。

は? 何? まさかこの人、マルとチョコちゃんに妬いてんの?

女タラシのクズ野郎の分際で!?



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