キミの愛情120%


「……きょ、興味ねえから二人のこと話すなってことですか」

「ちがう。興味ないとか言ってないでしょ」

「だってさっきは『どんどん話して』って言ってたじゃん」

「……ごめん。自分でもよくわかんないんだけどさ。なんか、里菜ちゃんの口から二人のこと聞けば聞くほど……」

「…………」

「…………」


なんなんだよ!

聞けば聞くほどなんだよ! ハッキリ言えよ! 爽やかなクズこと先輩から爽やかさを抜いたらクズしか残らないでしょうが。


「……ごめん。ちょっと落ち着くわ」


先輩がリナから手を離して、赤い顔でふー-と長い息を吐いた。


「……意味わかんないんですけど」

「うん。俺もわかってない、ごめん」


自分のことくらいわかっといてくれや……。

デート相手の女友達に嫉妬するとか、普通の男女でもあんまり聞かないのに。

ましてや先輩が? ありえないでしょ。

リナを無駄にドキドキさせるためのパフォーマンスだとしたら相当タチが悪い。虫も殺せない温厚美少女リナでもさすがにブチ切れるよ。


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